那須に関した古書を紐解くと、この地に伝わる興味深い話が出てきます。前回ご紹介した『狢塚・むじなつか』もその一つ、NPO立航博の命題としては飛ぶものを取り上げねばならず、ということで今回は『天狗』のお話です。
天狗伝説は各地にありますが、当地那須岳には4つあります。その一つ、天狗の神通力を伝える話がこの古書にあり、大木を倒したり崖を崩したりしたそうです。
その場所は《遠戸の森・とおとのもり》(山ガイドブックにも国土地理院の地図にも載ってない)地元の人も世代が変わり知らない。
ところが良く見るとこの本の終いに絵図が示され、この地が分かりました。
それではと、探索に出かけました。
天狗の住む遠戸の森を望む、中央のこんもりとした松の茂るところです。
ズームしてみる。
ここへ行く道は無し、ふみ跡もない。山道の鞍部から西へトラバース(斜面横断)するしかないのだが、どこから取付いてよいか分からず。
高さ3mはあろうか大笹(チシマ笹・地元では地竹/根曲がり竹)がびっしりと上からかぶさるように生えていて、進むのを拒み難儀する。1時間くらい藪コギをしてやっと遠戸の森の突起に近づいた。
突起直下、果たして天狗様はおいでか。
遠戸の森の突起は大岩でした。
突起から西、小沢名川方向を見る。この先急激に落ちている。
遠戸の森から見た黒尾谷岳。ここは冬に強い北風が吹くところか、松が踊っています。
《山には天地創造神が宿り 魂を揺さぶる音楽が聴こえ 常楽我浄の境地に包まれる》
次回はその音楽についてのお話です。