那須岳の謎解き

《今は昔》 

今を去る九十年前表された古書により那須岳にまつわる歴史、伝説を知り既に廃れた白湯山信仰の行者登山道、九尾の狐の殺生石、ゐもり伝説の坊主沼など何ヶ所を巡ってみました。

中には既に長い年月が経ち、風景が変わりルートが特定できず途中で引き返したり、目的地は直ぐ目の前だが猛烈な地竹の密藪のため進めず、これ以上行けば帰ることが危ぶまれ遭難の可能性もあり止む無く撤退することもありましたが、この山域の人を寄せ付けない自然の尊厳をも強く感じています。

ここは那須岳奥深く1300年前、天狗が発見したといわれる秘湯『北温泉』です。

那須岳に天狗伝説は五か所あります。

後ろに聳える山は飯盛山(三角山とも)、この山の裏側に沼があり一丈(約3m)のゐもりが棲んでいて坊主に変化(へんげ)し猟師を誑かしたという・・・

これは絶対に行かねばならぬと探索に出かけました。

ところが取付きルートが分からない、ガイドブックには出て無いのでネットで調べると何例か記録があった。積雪期でないので山道から毘沙門沢に降り川を渡渉し適度な傾斜地を選び登り開始です。こんな山奥に人工物が散見されます。この下流にある堰堤工事の際の残置物と思われます。

藪コギをし山頂に着きました。

飯盛山山頂から北方向の眺めです。日差しは暖かくありがたい時を過ごします。

山頂にあった獣のうんち、"熊のクソかや?”・・・棒で掻き分け中を見てみる、細かく木の実みたいのがいっぱい、匂いは全く臭くない。

山頂の御神木?に故意に押し込まれた瓶の破片、不届きな輩が押し込んだか、もちろん引き出し持ち帰りました。

ひと時のお山との同化を堪能し、いよいよ目的の坊主沼へ向かいます。北西に進路を取り灌木帯を下れば間もなく高さ3mの地竹がびっしり生えた地竹帯に突入。

掻き分け掻き分け沼の方向を目指す、鞍部に着いたが地竹に埋もれて周りは全く見えず。

画像は地竹の中に点在する木に登りに沼方向を確認したもので、この先は低くなっていてここに坊主沼があると思ました。

しかし、これ以上行くと帰ることが危ぶまれ、危険で遭難しそうなので今回はここまでとし戻る決断です。勢いでかなり行ったので戻るのも藪また藪で大変でした。

一度行くと場所の位置関係が分かります。" 次回はゐもりと坊主に遭うかなぁ ”

今日は那須岳に雪が積もりました。那須地人会の那須岳探索も来年雪解けまでお預けです。