飛ぶ仲間:三式戦/飛燕(ひえん)・・・その1

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画像は日本に唯一残る三式戦・飛燕(旧日本陸軍のプロペラ戦闘機)のラジエター部、下の画像は同時代のアメリカのP-51戦闘機のラジエター部です。このおちょぼ口を見た飛燕の主務設計者であった土井武夫さんは “あっ、やられた!” 飛燕と異なり空気取り入れ口が偏平な楕円形でしかも胴体下面より離し境界層を左右に逃がしている・・・土井さんはこれを見てさすがアメリカの方が進んでいると感心したそうです。
多くの飛行機にとって冷却空気は大きな抵抗となり問題です、古くは機体の全抵抗の46%以上が冷却に関係したようです。飛燕ではこの抵抗の元凶を最も少なく、しかも良く冷える胴体下部に設置しました。

注)境界層:空気が物体に沿って流れるとき表面では粘着して0で離れるにつれて流速は全体の流速に近
       かずく。粘性は小さくても大きな摩擦を生じ無視できない。