飛行機の復元(レストア)考

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日本では飛行機の本格的復元はあまり行われていません。 どこぞの博物館では展示してある零戦からペンキが床にボロボロと落ちていました。 これは錆びを良く取らず上塗りしたためで、非常に悲しい状況です。 また無造作にパテを塗りこみ損傷箇所を隠すといったやり方もとられているようです。 こういう飛行機は見かけはピカピカですが、ちょっと内部を見ればすぐわかります。 保存の理念が欠けているのです。 
画像はアメリカのノースアメリカンF-82ツイン・ムスタングです。 名前のとおりムスタング戦闘機2機の胴体をくっつけ、長距離(5500キロ)も飛べる爆撃機援護戦闘機です。 現在アメリカでこの極端に珍しい飛行機がレストアされています。
今から58年前事故で壊れたこの飛行機を空軍から買って保存していたのはオハイオ州に住む88歳のウォルター・ソプラータさんです。 Wさんは第2次大戦後、誰も残そうとしなかったいろいろの飛行機を家の周りに集めました。 驚くことに6発エンジンのB-36超大型爆撃機をおんぼろシボレー・トラックで25往復し運んでいます。 飛行機保存に全財産をつぎこんだWさんはクレジット・カードで買い物の支払いができなくなったとき、ついにコルセア戦闘機とツイン・ムスタングを売りました。
時代が変わり大戦機の価値が急騰するとWさんの所はいろいろと騒がしくなりました。 しかし全くこれ以上飛行機を売るつもりは無いのです。 何故ならどれも大好きなのです。