ハロウィーンと魔女

 今日はハロウィーン、子ども達がお化けの衣装をまとい各家のドアの前で “Trick or treat" と言いお菓子をせしめます。 この日が近づくとスーパーのお菓子売り場は大袋に入った小さな包みのお菓子が沢山売れるのでお菓子メーカーは 大喜び。 日本では大人もコスチュウームを着て楽しんでいるようです。 今夜はスネ毛を出した女装マニアも夜陰に紛れ大手を振って街を闊歩するか・・・・良く見れば厚化粧したおばさんだったりして。
びっくりのあまり “お面を外せ!”  何て言ってはいけませんぞ、それが地顔なのですから・・・・・。
 画像は日本の竹箒にまたがり魔女に扮したトトロさん。
 さて、飛行機にも魔女ありき、アメリカで開催されたリノ飛行機レース今年の優勝機は ストレガ/魔女号 。
本番のレースでポールポジションを得るため予選では775K/hを出しそのままぶっち切りで優勝、若いパイロットの天才的技量と原動力のエンジン性能が相まっての結果でしょうか。
 ではその魔女のまたがる箒のパワーの源は?・・・・・オリジナルは古い古いイギリスのロールスロイス製・液冷飛行機エンジン。 前から見ると 字型、シリンダーが12個付いて自動車のフェラーリみたいです。
このエンジンは25年以上生産され15万基も造られました。 レース用にはこれを改造というより系列エンジンのいい所取りをし組み立てています。 もちろんコンプレションを高めたり吸気圧力を水銀柱145インチHg (基本エンジンの戦闘時限界は61インチHg) にしてレースに臨みます。 約2.3倍に吸気圧を高めるのでそれなりに無理が生じ故障の原因となるようです。 前述の魔女号のエンジンはベテランのレースエンジンビルダーが手掛け毎年優勝していますが、闇雲にパワーを上げるのではなくこの旧式エンジンを如何に壊さず高性能を保つかに腐心した結果、エンジン吸気圧は130インチHg,シリンダ圧縮比は低めに設定しているようです。 また本番レースでは新品プラグではなく予選で確実に燃料を燃焼させたプラグを使います。
しかしながら60年も前のエンジンを今後もレースに使用するには疑問です。 画像に矢印で示した部分は高回転で擦り減っています。 これを騙し〃使うにはそのつど間隙調整する必要が生じます。 ローラーベアリング (星型エンジンや当時のドイツのエンジンには採用されている) に換える案もあるようですが新しくエンジンそのものを現代技術で開発したほうが良いのではないかと思います。
このレースエンジンの冷却には 『Boil-Off』 クーリングシステムなんてのが開発されたようです。 抵抗になる胴体下のラジエターが取り除かれています。イメージ 1イメージ 2
ロールスロイス・マーリン エンジンの泣き所、矢印の箇所が段べりする。