飛ぶ仲間 : 後期高齢機

 日本では75歳以上は後期高齢者と呼ぶらしい。 この線引きに憤慨しているご同輩諸兄に同情申し上げる。 こちらアメリカで高貴航齢の我輩は今年で齢七十五となり長期働き続けた労をねぎらうセレモニーが全米で予定されておる。 ありがたい話で現在も世界で飛んでいる100機の仲間と共に鼻が高いのである。          さて、ここで名を明かせば我輩はダグラスDC-3という双発プロペラ輸送機なのである。 
長く飛んでいるので当然エピソードも多い。 軍用の仲間は戦時中3,000発の弾丸を打ち込まれても生還したとか、ノルマンディー作戦での武勇伝など数え切れないほどある。 彼の地日本でも数は少ないが活躍した仲間がいたと聞いておる。  今後もまだまだ仕事を行い飛行時間10万時間を越える仲間も出ると思われその時は大祝賀パーティーを行いたいと考えておる。 
 
とまあ、アメリカの3型爺さんの鼻息は荒く意気込みに圧倒されますが、こちらの飛行機爺さんはせめてその栄華を讃え近くの 『ラウンジ・ダコタ』 で乾杯です。 店内の壁画にはニューヨーク・マンハッタン上空を飛ぶDC-3が2機画かれています。 ちなみにダコタとはイギリスでの愛称だそうです。 
我国では昭和14年、 ここ 『ラウンジ・ダコタ』 のある昭和飛行機でDC-3型を国産化しました。イメージ 1イメージ 2イメージ 3
下の写真、ショーケースに見られるのはDC-3型の操縦桿 (輪) です。 丸くてなかなか良い感じです。
参考に載せた海上自衛隊で使われたグラマン・トラッカー機の総飛行時間は27年間で6,915時間でした。