過給器(かきゅうき)

 デアゴスティーニ社が100号まで毎週販売する金属製スケールモデル零戦もいよいよ佳境に入ったか、外皮の貼り付けが始まった様子。 しかし、かのNPO立航博会員のゼロ戦おじさんは老眼と乱視で沢山の小さい部品をプレートから切り離すのは大変。 根気が要るようでバテ気味でした。 
 今週の解説書は栄二一型エンジンの過給器が載っています。 飛行機が高空に行くと空気が薄くなり出力が下がるので翼車をエンジン後内部に取り付け高回転で回し吸入空気を圧縮しシリンダーに送り込みます。     “なんてことは無い、エンジン排気を利用した過給器はアメリカではロッキー山脈を越えるのに大型トラックが古くから付けていたなり。 今では軽自動車にも付いているじゃないか”・・・・・ごもっともごもっとも、しかし栄エンジンを開発した中島飛行機では昭和10年頃は2速過給器の模索で頭が一杯、そこでアメリカのエンジンの過給器を参考にするのですがその図面に関しての興味深い秘話が 『中島飛行機エンジン史』 酣燈社発行 172ページに載っています。 
 さて、解説書に戻り栄二一型エンジンで過給器管制把手を切り替えるとどの様にして過給器翼車の回転を上げるのかと図を見ると・・・・・回転を上げるための歯車に切り替えるには、まずオートバイの湿式クラッチに似た機構がありポンプからの高圧油で摩擦板を後方に圧迫し伝達歯車に噛口させます。 これは機械的にガチャンとやってしまえば歯車が壊れてしまうのでクラッチを介していると思います。
 画像は当時のアメリカのP-51ムスタング戦闘機搭載ロールスロイス・マーリン・エンジン過給器歯車のクラッチ部です。 基本的には栄エンジンのと変わりないですが逆転防止機構がつき必要とする回転は自動で行われます。 これでパイlロットの機上操作が軽減されるのか、自動仕掛け好きの先進国アメリカ、チャップリンの映画  『モダンタイムス』 を思い起こします。イメージ 1