那須地人会では那須岳にあった白湯山信仰の行人道を辿り信仰の対象となった御宝前へのルート探索を行いました。
御宝前に湧く温泉、温度は低いです。昔はもっと熱かったのでしょうか?
北西方向に県境の山々が望まれます。ピークは赤柴山か、ここまでのルートに拝所が12ヶ所あったとされますが、1ヵ所も発見できませんでした。
御宝前の大岩上に祀られている祠に自作の梵天をお供えします。梵天は栃木県産でと考え、烏山の和紙と精麻で作りました。
祠はコンクリート製で劣化し崩れています。これでは神様は宿れない。
梵天を立てます。
突然梵天が風に舞う。山の神様が常楽我浄の風を吹かれたか・・・
有難し、今生の悦びなり。
行道は御宝前から右の沢へ続くと判断し、ここからまた地竹(根曲り笹)を掻き分け登るのです。しかし人工物の惨状が見苦しい。
カラ沢を詰め、三斗小屋と沼ッ原を結ぶ山道に出ました。
今回は白湯山信仰登拝ルートの確認なので、行人道の復活を願いでここまでです。
最後に『三斗小屋温泉誌』より文章をお借りして今回のレポートのまとめと致します。
《今、白湯山に立つと激しい憤りを禁じ得ない。そこにある光景は荒廃の一語に尽き
る。ビニール袋が散乱し、給湯管が無造作に転がる。あたかも工事現場のような様相 を呈する。多くの行者の尊崇を集めた白湯山も、今は観光資本の餌食となり見る影もない。明治維新後、たかだか120年の歳月で変わり果てた白湯山の姿を目の当たりにすると、自然から富を奪い続ける日本社会が透けて見えて感慨深い》
今回の回収ゴミ、多すぎてとても全部を背負ってこれずほんの一部です。