飛ぶ仲間 : レース用マーリン・エンジン

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 今回の画像はエアレース用エンジンです。 第2次大戦のP-51戦闘機のロールス・ロイス/マーリン・エンジンを改造したものです。
ノーマルでは戦闘時3000回転/61インチMAPですが最近のレース・エンジンでは3600回転/145インチMAP/4000馬力と驚異的なパワーをたたき出します。 これはスーパーチャージャー (過給機) を回す歯車を早く回るものに替えて行います。 エンジンの回転が増した結果、プロペラの回転数を下げ効率を保つため減速歯車を交換します。 また輸送機用マーリンがより強固で冷却効果の余裕があるのでシリンダーヘッド及びブロックを利用、クランクシャフトを後期アリソンGシリーズエンジンのコンロッドを受けるため改造、インタークーラーは強烈な吸気圧で亀裂が入るので取り外す、オイルポンプの追加、そしてレース時に燃焼温度を下げるためエンジンへ混合水・メタノールを噴射します。
マーリン・エンジンは科学技術が芸術にまで到った証と言えるでしょう。

注)MAP : マニホールド・エアー・プレッシャー(吸気圧力)、エンジンの出力性能を評価するときの性能特性の         基準値、アメリカ製のエンジンではin・Hgで示される。