マス・バランス

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やっと57年前の古いセスナ機 (JA3014) の尾翼点検後の損傷部処置が終わりました。 その過程は写真に撮り記録しました。 次は微かに残るオリジナルのストライプ塗装跡 (2.5インチ幅/約64ミリ) をなぞりアルミテープを貼り付けます。 尾翼表面全体を光らすために磨き剤をつけポリッシュすると消えてしまうのでストライプ跡を残すためです。 と考えたところで今日はおしまい。
画像は方向舵 (飛行機はこれを右か左へに振って方向を変えます) の一番上の部分です。
このセスナ機は全体がアルミ合金で出来ていて非常に軽いのですが、このしっぽはえらく重いのです。
よく見れば大きな鉛の塊が取り付いています。 イラストの7番にバランス・ウエイトと載っています。
何のため付いているのか、参考書を見ると 「補助翼、昇降舵、方向舵など操縦翼面の回転が連成して生ずるフラッターの発生を防止する目的で取り付けられた付加質量をマス・バランスという」 (航空宇宙辞典・地人書館) とあり・・・なんだか良く分からないのでフラッターを見てみると 「空気力と構造の弾性力、慣性力などとの相互作用によって起こる自励振動で大振幅になると空中分解してしまう」 と書いてあります。 “これは大変なものが付いているわい”・・・そう言えば零戦の原型十二試艦上戦闘機も昇降舵のマス・バランスが折れフラッターを起こし空中分解したとゼロ戦の本に書いてあったのを思い出しました。