那須の行人道を行く

那須地人会ではかつて那須岳で栄えていた『白湯山信仰』の行人道の探索に行ってきました。270年も続いた白湯山信仰は絶え、神をまつる御宝前へ登拝する行者は既におらず、行人道は荒れるに任せる、というより深山幽谷の自然の姿に戻ったのだと思います。

ここは那須岳の西側、三斗小屋宿跡です。ここが今回の出発地です。

宿跡にある白湯山神社にお参りし、本日の入山の許しを請います。

これは冬撮った宿跡東にある鳥居、ここから先達が ”由緒五郎左衛門、一の鳥居を開けい” と言って出発したそうです。往時と違いこの先は崖になってしまって下を流れる苦戸川に降りれません。少し川下に下り口を見つけ河原に到達します。

苦戸川に降り立ち、中州方向を見る。渡河し対岸に上がりルート取付き地点を探すも33年前に書かれた本の記述にある目標のウラジロモミもカエデも分からず。当時は幹に赤ペンキの目印があったとあるが、すでに消えてしまったのでしょう。適当に見当をつけ直登する・・・これが一番目の間違い、はっきりと踏跡が続いていたのでこれがシズノ平へ行くと思い1時間10分辿ってしまう(これは隠居蔵から引く尾根の末端でした)ナビもスマホも持っておらず、本の記述から書き起こした地図と磁石だけなのでこうなる。

来た道を戻れば、林野庁と記された杭があり木の幹に赤ペンキが塗られたところに出た。これは行人道を示すものではないので、ここより南西方向へ下がれば・・・

”出たっ!” シズノ平の入口です。ここより聖と俗が分かつ神聖な場所に入ります。

今日はここまで。